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4.2.4 降車所要時間の算出

 

メッシュモデルを用いたシミュレーション結果より混雑度と降車人数から、降車所要時間を一意的に決定することはできないが、混雑度と降車人数が降車所要時間を決定する要因になっていることが確認された。そこで実測データを基に、降車人数と、混雑度から降車所要時間を算出する近似式を作成する。ただしこの近似式は、降車客の列車停車時の位置を反映できないため、降車人数と混雑度に対する平均降車所要時間を求める式となる。
メッシュモデルを用いたシミュレーション結果から、各混雑度における降車人数と降車所要時間の関係を降車人数5人を境界とする一次式の組合せで近似することにする。
図4.2.4−1に各混雑度における降車人数と降車所要時間の関係を示す。この図は10/21〜10/23三日間の西葛西駅、東陽町駅、茅場町駅の全車両分のデータを混雑度毎に分類し、各混雑度における降車人数と降車所要時間の関係を示したものである。
図4.2.3−8に示したメッシュモデルによるシミュレーションの近似式と異なる点は、車内混雑度が降車所要時間に及ぼす影響が小さいことにある。メッシュモデルでは降車客の初期位置は乱数によって決定しているため、各メッシュ内に等しい確率で存在するが、実際はドア付近の乗客は降車客を通すために降車することが多い。このため扉付近から順次降車する形となり、降車所要時間は、扉から遠いところから、、扉付近に到達するのに要する時間の影響をあまり受けなくなる。即ち実測データでは、車内混雑度が降車所要時間に及ぼす影響が小さくなる。
図4.2.4−1より以下の近似式を得ることができる。同一降車人数における降車所要時間の、混雑度による影響は小さい。

 

 

 

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